美肌の鍵はスキンフローラ
季節の変わり目、いかがお過ごしでしょうか。
秋は気温差が激しい季節。暑かったり急に涼しくなったりする気温に身体がついていけず、自律神経が乱れがちに。自律神経がゆらぐと、肌の常在菌が乱れ、肌や体に不調が現れることがあります。また空気も乾燥し始めるので、カサつきも気になり始めます。乾燥は肌をアルカリ性に傾かせてしまうので、美肌菌が増えづらくなります。
今回は美肌に欠かせない肌の常在菌「スキンフローラ」ついてお話ししていきます。
■スキンフローラとは
簡単に言えば肌に常在する菌がバランスをとっている環境のこと。
どんな人のお肌にも常在菌が存在します。
肌に存在する常在菌は約1,000種類。皮膚常在菌は、肌のコンディションを整えるのに重要な役割を果たしています。
常在菌は食生活や運動習慣、睡眠などのライフスタイルによって変化します。スキンフローラの状態がいいと、肌の潤いバリア機能が高まり、健康的な美しい素肌になることがわかっています。
■常在菌の種類と役割
肌の常在菌には3タイプの菌が存在します。
表皮ブドウ球菌(善玉菌)=美肌をつくる菌
皮膚の表面や毛穴に存在しています。
表皮ブドウ球菌の役目は皮脂を「脂肪酸」と「グリセリン」に分解すること。
「グリセリン」は皮膚を外部刺激や乾燥から守る働きがあります。「脂肪酸」は皮膚を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます
健常な人の皮膚に多く存在しており、肌にうるおいを与え、バリア機能をアップさせる美肌にとって重要な役割をもちます。
黄色ブドウ球菌(悪玉菌)
肌荒れ、アトピー性皮膚炎の原因にもなり、この菌は通常の肌の状態であれば悪さをすることはありません。しかしアルカリ性の環境下を好むので、肌が乾燥で弱アルカリ性に傾くと増殖し、肌の弱酸性を保つ善玉菌が少ないと増加する傾向があります。肌トラブルを引き起こす菌です。
アクネ菌(日和見菌)
善玉菌と悪玉菌の両方が存在するといわれております。善玉菌は肌のpH値を弱酸性に保ち肌を保護する一方で、悪玉菌は毛穴に潜んで皮脂をエサにニキビの元をつくるといわれております。代表的なものはアクネ菌で、ニキビの原因となることで知られています。
通常は皮膚を弱酸性に保ったり、細菌の増殖を抑えたりする善玉菌のような働きをしています。しかし、皮脂の分泌量が急激に増えて毛穴が皮脂で詰まると、過剰に増殖してニキビや吹き出物などの炎症を引き起こす菌です。
■スキンフローラはバランスが重要
常在菌において良い働きをする「善玉菌」だけあれば良いというわけではありません。
外部刺激や乾燥から肌を守るためには、「悪玉菌」も「日和見菌」もバランスよく存在していることが重要です。
肌トラブルは何らかの原因で悪玉菌や日和見菌の増殖が起こり、スキンフローラのバランスが崩れた時に起こります。美肌を作りには、スキンフローラのバランスを整えることが大切だと覚えておきましょう。
■フローラのバランスを保つためには
まずバランスを崩す原因は何か、見直してみましょう。
過度な洗顔・・・
過度な洗顔は必要な皮脂もとりきってしまいます。
過度な洗顔・・・
たくさんの雑菌がいるのでお肌に
付着すると肌トラブルがおきやすくなります。
過度な保湿・・・
保湿しすぎてしまうと「働く必要がない」と怠けてしまい美肌菌が働かなくなります。
長時間の入浴・・・
長時間入浴すると顔を何度も洗ったりしてしまう事で、美肌菌が流れてしまします。
菌のバランスを整えるには、
- 代謝を高めて基礎体温をUP
美肌菌が好む快適温度は37℃。冷たいものを控え、発酵食品を積極的に摂取し、腸内環境を良好に保ち代謝を高めましょう。血行が悪いと代謝が弱まり美肌菌の働きも弱まってしまいます。
- 適度な運動
汗や皮脂を出すために発刊作用のある食事をとったり、散歩等で身体を動かすようにしましょう。
- 最適な湿度を保つ
お風呂場にカビが生えるのを防止する為には、浴室の乾燥を行ないますが、美肌菌が好む湿度は60%です。秋冬、特に乾燥しやすい季節は加湿器等で湿度を保ちましょう。
- 良質な睡眠
不規則な生活を行なっていると良質な睡眠がとれず、ホルモンの分泌に影響が生じます。美肌菌の働きを高めるためにも規則正しい生活を送りましょう。
- 保湿を心がける
スキンフローラを整えたいなら乾燥は大敵。肌表面の皮脂膜の成分である脂肪酸は酸性なので、皮脂膜のpHは酸性になっています。そのため、皮脂膜が十分にある健常な皮膚のpHは弱酸性を保っています。しかし、乾燥肌は皮脂の分泌が乏しく、皮脂膜(脂肪酸)の少ない肌なので、アルカリ性に傾いてしまいます。この状態は悪玉菌や日和見菌が繁殖しやすい肌環境なため、こまめに保湿を行って肌のうるおいを保つことが重要です。洗顔後はすぐに化粧水で水分を補給して、乳液やクリームで蓋をして水分蒸発を防ぐようにしてくださいね。
- 紫外線対策を行う
紫外線は肌のバリア機能に欠かせない皮脂膜を酸化させ、機能を低下させます。水分の保持力、水分の蒸散量が増えて乾燥肌の状態になり、肌はアルカリ性に傾きます。肌がアルカリ性に傾くと、悪玉菌や日和見菌が増えて、スキンフローラのバランスが崩れてしまいます。外出する時はしっかり日焼け止めを塗ったり、日傘を差したりして紫外線対策を万全にしましょう。もし日差しを浴びてしまったら、化粧水でしっかり保湿をして乾燥対策を。
- 肌に刺激の少ないアイテムを選ぶ
合成界面活性剤の入ったクレンジングや洗顔料は洗浄力が強く、皮脂やメイク汚れはしっかり落とせますが、肌に必要な皮脂や常在菌まで洗い流してしまうこともあります。特にオイルクレンジングは洗浄力が強く、乾燥しやすいため、クリームやミルクタイプなど肌にやさしいクレンジングを選ぶのがおすすめです。
- 洗顔料を泡立てる
肌にやさしい洗顔をするためには、洗顔料をしっかりと泡立てることがとても大切です。キメ細かな泡を作り、やさしく肌をなでるように洗うと良いでしょう。しっかり汚れを落とそうと手でゴシゴシ洗うと、肌に摩擦を与えて刺激になってしまうので注意してください。
- ぬるま湯で洗い流す
冷たい水では皮脂が落ちず、熱いお湯は皮脂を落とし肌に必要なうるおいを奪うため洗顔時はぬるま湯が適切です。
心がけるべきことはたくさんありますが、まずはできることから意識して、肌のためにスキンフローラのいいバランスを保ちましょう。